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●東海村JCO臨界事故

チェルノブイリ原発事故の原因は、原子炉での実験時に運転員が不適切な操作を行ったためでした。

日本の人々はこの事故を見て思ったはずです。

「日本ではこんなことは起こり得ない。運転員の教育が正しく行われて、原発の運営も適切に行われているから」と。

ところが、その考えが間違っていたことが東海村JCO臨界事故(1999年9月30日)で明らかになります。

茨城県那珂郡東海村の株式会社JCOで恒常的に行われていた杜撰(ずさん)な作業(ウラン化合物の溶解に、ステンレス製バケツを用いる)が原因となり、予想外の臨界状態(核反応が連鎖的に起こる状態)が起こってしまったのです。作業員3人が致死量の放射線を被曝(ひばく)し、内2人が死亡しました。

●柏崎刈羽原子力発電所事故

柏崎刈羽原子力発電所
柏崎刈羽原子力発電所


東海村JCO臨界事故が起こっても日本の人々は思いました。

「この事故は原発の運営状況に問題があっただけで、ルールに従って原発運用がなされれば安全である」と。

ところが、この考えも十分ではなかったことが、新潟県中越沖地震(2007年)での東京電力柏崎刈羽原子力発電所の事故で明らかになりました。この事故での被害は、低レベル放射性廃棄物の入ったドラム缶が倒れ、微量の放射性物質汚染が確認されただけではありましたが…。

同地震のマグニチュード(M)は6.8。大きな地震ではありますが、最近では度々起こっている規模の地震です。ところが、この地震による揺れは、原子炉設計時に想定されていた地震の揺れの2倍以上のものだったのです。柏崎刈羽原子力発電所は日本の原発の中では非常に地震に強い構造とされているのであるにもかかわらず、このような状況でした。

この地震で多くのトラブルが出た柏崎刈羽原発に07年7月18日、柏崎市から緊急使用停止命令が出ました。中部電力によると、同原発で確認された地震による損傷は53件にのぼり、タービン建屋の外壁パネルの外れや、避雷用の鉄塔の鋼材破損、重油タンク周囲の防油堤のゆがみ、消火用配管の損傷などが見つかりました。

また、低レベル放射性廃棄物のドラム缶が約400本倒れ、うち約40本のふたが開きました。使用済み燃料プールから放射能を帯びた水がこぼれたケースは1~7号機すべてで起き、6号機では約1・2立方メートルが海に流出しました。

◆07年の地震での主なトラブル◆
  • 使用済み燃料プールから放射能を帯びた水がこぼれた=7件
  • 変圧器などからの油漏れ=6件
  • 消火用水の配管損傷=5件
  • 主排気筒に接続するダクトのずれ=5件
  • 建屋内のガス抜き用パネルの脱落=3件
  • 変圧器の基礎ボルト折損=2件
  • 放射性廃棄物入りドラム缶転倒=1件(約400本が転倒、約40本のふたが開いた)

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