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ガスマスクをした医師
ペストなどの感染を避けるためにガスマ
スクをした医師。Paul Furst画、1656年
(写真:art-binより)

●パンデミック(感染爆発)の歴史

過去に世界中で感染症のパンデミックにより大量の死者が出ることは度々ありました。

14世紀にヨーロッパで大流行したペストで、ヨーロッパの全人口の3割が命を落としました。17世紀にもヨーロッパで大流行して飢饉も起こり、戦乱も重なって人口が激減しました。その後、先進諸国では19世紀までにほぼ根絶されましたが、中国・雲南省では1855年に大流行、インドでは1994年に発生し、大騒ぎになりました。

19世紀、20世紀の感染症といえばコレラ。最近では、大流行は起こらなくなってきつつありますが、まだ感染者がいなくなったわけではありません


天然痘にかかった子どもコレラ患者の隔離病棟
天然痘にかかった子供(左) コレラ患者の隔離病棟(1892年、ドイツ・ハンブルク)(右)
(写真:ウィキペディアより)

そして、1918~1919年に大流行したスペインかぜ(インフルエンザH1N1型)の感染者は全世界で約6億人、 死者は少なくとも5000万人と伝えられています。 当時の世界人口は、8~12億人だったと言われていますので、全人類の50%以上が感染したことになります。 日本でも人口約5500万人のうち39万人が死亡しました。

●疫病(感染症)の“世界地図”が変わる

地球温暖化で感染症の感染地域が拡大します。春の気温が1℃上昇するだけで感染症のバクテリアが50%増殖することが確認されています。感染症を媒介する蚊やダニなどの生物も温暖化によって生息域を大きく広げます。

温度や降雨量などの要因が、感染症の病原菌を増殖させ、媒介生物の分布地域も拡大させるのです。特に蚊は、気温や降雨量の変化に反応しやすく、好ましい生息環境が整うと、生息域を一気に拡大します。蚊が媒介するのはマラリア、デング熱、黄熱病、数種類の脳炎などです。

マラリア
マラリアにかかった
スーダン(アフリカ)の子供
(写真:日本UNHCR協会より)

マラリアは江戸時代の日本でも流行記録があり、温暖化とともに日本列島でいつ再発してもおかしくありません。温暖化によって、媒介生物の分布範囲がマラリアに次いで広く拡大すると考えられているのはデング熱や黄熱病のほか、ブヨによるオンコルセカ症、淡水巻貝が媒介する住血吸虫症などです。これらの感染症は、日本列島の一部で亜熱帯化が進んでいる昨今、日本でもいつ流行し始めるか分かりません

また、コレラやペストはかつてヨーロッパでも大流行しました。歴史上、気候変動や自然災害、戦乱などに合わせて起こる感染症で、地球温暖化に伴う異変により再び誘発される可能性があります。



■動物が媒介する主な熱帯病と気候変動による分布域変化の可能性■
病名 媒介動物 現在の分布 気候変動に伴う分布域の変化の可能性
マラリア 熱帯、亜熱帯 極めて大
住血吸虫症 淡水巻き貝 熱帯、亜熱帯
リンパ性フィラリア症 アフリカ  結滞地域 あり
黄熱病 南米熱帯地域  アフリカ
デング熱 熱帯、亜熱帯
オンコルセカ症 ブヨ アフリカ、中米、南米


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