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●エルニーニョ現象

太平洋東部の赤道付近の海域で海面水温が基準値より0.5度以上高くなる状態が続くことを指し、 世界中で頻発する気候変動の引き金となっています。1950年から2007年までに13回発生。 この現象では、海水温の上昇によって、太平洋東側で強大な積乱雲が生まれ、熱帯を中心に大雨を降らせます。これによって大気のバランスが崩れ、 アフリカには大干ばつ、ロシアには大冷害をもたらします。 また、日本では長梅雨や冷夏、暖冬の原因になるとされます。こうして地球規模の異常気象が生み出されます。

●ラニーニャ現象

同じ海域で海面水温が基準値より0.5度以上低い状態が半年以上続くこと。1950年から過去12回発生、 その影響で日本が猛暑になった確率は約8割に達します。「ラニーニャ」は、スペイン語で「女の子」の意味です。

●2007年の記録的猛暑

07年夏は、8月に岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市の2カ所で観測史上最高気温40.9度を記録するなど、全国的に猛暑の夏となりました。

猛暑

偏西風の蛇行とラニーニャ現象が影響
日本の観測記録を塗り替える猛暑の原因は、関東から東海に居座った非常に強い勢力の太平洋高気圧でした。 高気圧に強い勢力をもたらした原因とみられるのは「ラニーニャ現象」です。 気象庁は07年5月、南米ペルー沖でラニーニャ現象の発生を確認しましたが、8月になって現象が強まり、フィリピン側に暖流を送りました。 このため、上昇気流が起きて対流活動が活発になり、日本上空の太平洋高気圧の勢力を強めたのです。 一方、07年夏は、偏西風の蛇行によって太平洋高気圧の中心がいつもの日本の南東海上ではなく関東近くまで北上しました。 また、高気圧の中心近くの天気が安定して雨が少なかったのも猛暑に拍車をかけました。

■国内の最高気温記録■
(1)40.9度 岐阜県多治見市 2007年8月16日
(2)40.9度 埼玉県熊谷市 2007年8月16日
(3)40.8度 山形市 1933年7月25日
(4)40.6度 和歌山県かつらぎ町 1994年8月8日
(5)40.6度 静岡県天竜市(現浜松市) 1994年8月4日

●2007年の世界的暖冬

06年12月~07年2月の日本全国の平均気温は、平年(4.4度)を1.52度上回り、 1899年以降の統計史上1位タイ(前回は1948~49年)の高さでした。 また、北陸地方で降雪量が平年の9%にとどまるなど、全国的に降雪量も少しでした。 暖冬の原因は地球温暖化のほか、太平洋の海面水温が上昇するエルニーニョ現象などの影響があります。 平均気温は、全国の観測地点153カ所のうち63カ所で最高値を更新しました。 また、降雪の観測地点123カ所のうち青森、秋田、新潟など20カ所で降雪量の最小値を塗り替えました。 東京都心では、初めて降雪が観測されませんでした。

開花が早まる桜

また、世界の月平均気温が06年12月と07年1月、それぞれ各月の平均気温としては1891年以降の統計史上最高となりました。 07年1月の主な記録は、モスクワ:氷点下1.6度(平年比+5.9度)▽ベルリン5.3度(+5.1度)▽ニューヨーク3.8度(+3.5度)。ヤクーツクは平年と比べ9.2度、オムスクは7.7度高く、30年に1度の異常高温となりました。


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