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●浜岡原発は地震が起きても安全? ――静岡地裁判決(07年)
地域住民らが浜岡原発の運転差し止めを求めた裁判で静岡地裁は2007年10月、国の地震想定や耐震設計指針を妥当と判断し、住民らの請求を棄却しました。
これに対し、浜岡原発の安全性を支持する学者もいるにはいますが、前述の石橋教授は次のように指摘しています。(※07年11月26日、毎日新聞記事から要約)
「中部電力は、浜岡原発は地震が起きても安全だと主張し、判決はこれを合理的と判断したが、問題が多い。地震動を左右するプレート(岩板)境界面の深さや、アスペリティーの配置を多くの研究者が疑問視しており、判決が想定した地震動は著しい過小評価だと思われる」
「判決は「抽象的可能性の域を出ない巨大地震を国の施策上むやみに考慮すること」は避けるべきだとした。驚くべき判断だ」
「判決は、中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災に目をつぶり、地震による複数の重要機器の同時損傷を想定すべきだという原告側の主張も退けた。しかし柏崎刈羽原発では、燃料集合体が定位置から飛び出すなど多くの損傷が同時発生した。柏崎刈羽原発では、旧指針による基準地震動の4倍もの揺れが生じたと推計される。これは、中電が策定した基準地震動の約2倍だ。大事故が起きなかったのは運がよかっただけで、原発震災(地震と放射能の複合災害)は現実の問題である」
「地震列島の原発は、浜岡や柏崎のような震源域の真上で運転してはいけない」
●柏崎刈羽原発の下に活断層!
【参考】※07年12月初旬現在の東京電力HPには次のように掲載されていました。
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ところが、07年12月5日、新潟県中越沖地震の震源だった可能性が指摘されている海底の断層について、柏崎刈羽原発建設時に「活断層ではない」としていた東京電力が、活断層だったことを認めました。
これについての新聞記事を要約して紹介します。
【東電 「活断層」認める】 07年12月6日 毎日新聞
東電によると、設置許可申請時、文献調査や海上音波探査などからFB断層は5万年前以降の地層をずらしていないため、活断層とは評価していなかった。ところが00年に再評価した結果、FB断層は活断層である可能性があるとの文書をまとめ、03年に国に提出した。中越沖地震を受け、海域の音波探査を詳細に実施したところ、長さ約23キロの活断層であると断定した。
03年当時、FB断層が活断層である可能性を公表しなかったことについて、東電は「FB断層を活断層として評価しても、原発の耐震基本設計に影響を与えないとの結果が出たため、あえて公表しなかった」と話している。【河内敏康】
⇒⇒東電は03年の段階で、柏崎刈羽原発付近に活断層がある可能性を認識しながら、HPなどで対外的には「活断層上には建てていない」と広報してきたのです。
これについて、渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は記事の中で、「しゅう曲構造があるにもかかわらず、地層をずらしていないとの理由から活断層でないと評価するのはかなり特殊な見方で、あり得ない。同じ理くつで他の原発でも見落としがあるかもしれないので調べ直すべきだ」と指摘しています。