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●東海地震とは
駿河湾を震源とするマグニチュード(M)8の東海地震。駿河湾から高知県沖へ続く南海トラフ(浅い海溝)では、フィリピン海プレート(岩板)が日本列島の下に沈み込み続け、巨大地震が繰り返し起きてきました。その一環として1944年には東南海地震、46年に南海地震がありましたが、このときに駿河湾だけは震源とならなかったので、東海地域には近い時期に大地震を引き起こすひずみが蓄積していると想定されています。
東海地震は約100~150年の周期で発生を続けているため、発生は避けられません。2003年に東海地震対策専門調査会が公表した被害想定によれば、冬の午前5時にマグニチュード(M)8、最大震度7の東海地震が発生した場合、死者は最大1万人、冬の午後6時に発生した場合、火災による被害は約25万棟に達します。M8以上の規模になることも予想され、被害はさらに大きくなる可能性も十分にあります。
駿河湾の海底に、駿河トラフと呼ばれる細長い凹地(へこみ)が走っています
(写真:気象庁より)
●10万人以上が犠牲に!――超巨大地震の可能性
独立行政法人・海洋研究開発機構のシミュレーションで、過去700年間に、東南海地震の後に南海地震が起きる場合と、東海を加えた3地震が同時に起きる場合が繰り返され、東海地震は毎回、東南海地震との連動で起きていた可能性が高いことが分かりました。同機構の研究者は「東海地震が単独で起きる可能性は非常に低い」としており、三つの地震が同時に起きた1707年の宝永地震(M8・6)のような超巨大地震の再来の懸念も高まっています。
被害想定では、東海、南海、東南海の三つの巨大地震が同時に発生すると、津波の犠牲者を含め死者は2万人を大きく上回る可能性があります。東南海地震と南海地震が同時に起きただけでも、全壊27万棟、死者7400人にのぼる危険性があります。
しかも、被害予想は必ずしも確実ではありません。04年12月のインド洋大津波による23万人近い死者・行方不明者をだれが事前に予測していたでしょうか?この津波を受けて日本政府が設置した「津波対策検討委員会」の05年2月の会合では、「東南海、南海地震の津波の被害想定は、交通機関利用者などの被害がそっくりと抜け落ちている。死者は10万人を超えるかもしれない」という指摘も出ました。
政府の中央防災会議が03年にまとめた被害想定によると、東南海、南海地震が同時発生した場合、満潮時で高知県室戸市14メートル▽同県土佐清水市12メートル▽和歌山県串本町10メートル――など、四国から紀伊半島の太平洋沿岸を巨大津波が襲うと予測されています。この場合、建物の全壊被害は4万棟を超えるとみられています。
●2030年代までに大地震が起きる確率
- 東海地震…87%
- 東南海地震…60~70%
- 南海地震…50%
95年の阪神大震災や00年の鳥取県西部地震などM7クラスの内陸型地震が短期間で続いたため、多くの地震学者が日本列島は地震活動期に入ったと指摘しています。
過去には、明治後半から太平洋戦争後にかけて、M8・0を記録した1891年の濃尾地震や1927年の北丹後地震(M7・3)、43年の鳥取地震(M7・2)などを経て、44年に東南海地震(M7・9)、46年に南海地震(M8・0)が起き、48年の福井地震(M7・1)で地震の活動期が終わりました。その後、戦後の日本ではほとんどが静穏期でしたが、今、多くの地震学者たちが「再び活動期がやってきた」と分析しています。