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●パンデミック(感染爆発)の予兆

WHOは、新型インフルエンザの発生段階を6段階(フェーズ)に分け、現在の状況をフェーズ3と分類しています。これは「新しいウイルスは人間にも感染しているが、人間から人間への感染は容易には起こっていない」という状況です。

新型インフルエンザフェーズ

しかし、フェーズ3からフェーズ4にいつ移行してもおかしくない状況が続いており、いったんフェーズ4に移行すると、フェーズ5、6へは数日間で加速度的に発展するとの予想もあります。

※2009年4月28日(火)
メキシコや米国で発生した豚インフルエンザの大量感染を受け、WHOは警戒水準(フェーズ)を従来の「3」から、「4」に引き上げました。WHOとして新型インフルエンザの発生を宣言したことになり、豚インフルエンザが日本を含め世界的に大流行(パンデミック)する可能性が高まりました。

※2009年4月30日(水)
WHOは警戒水準(フェーズ)を「4」から、「5」に引き上げました。これは、世界的大流行(パンデミック)の一歩手前であり、非常に危険な状態を表しています。

高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の鳥への感染は、日本でも07年1月に宮崎や岡山で家畜のニワトリへの大量感染が起こりました。これは、05年春に中国内陸部(青海湖)で6000羽の渡り鳥を大量死させた鳥インフルエンザ・ウイルスが、生き残った渡り鳥を通じて同年秋に世界中に散らばったものが原因と考えられています。

このように、鳥インフルエンザウイルスは大陸で先に大感染しており、人間の間で大感染する新型インフルエンザへの変異も大陸(アジア)で最初に発生する可能性が高いとみられています。そして、感染者が来日して日本にも広まるという筋書きが想定されているのです。

鶏舎
鳥インフルエンザが発生した鶏舎の内部
=宮崎県清武町の農場で2007年1月11日(宮崎県撮影)

●鳥の間で流行しているインフルエンザ
◆2007年9月:アヒル9800羽が死ぬ 【中国】
広州市で10日から12日にかけて、約9800羽のアヒルが死んでいるのが見つかった。地元政府は、原因は鳥インフルエンザではなく、家畜などがかかる伝染病と判断。

◆2007年3月:野生のクマタカが感染 【熊本】
熊本県で死んだ野生のクマタカから鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたと18日、環境省が発表した。 野鳥の鳥インフルエンザ感染が分かったのは、04年に京都と大阪で見つかったカラス9羽以来。

◆2007年1月:ニワトリが集団感染 【宮崎、岡山】
宮崎県の3地域でニワトリが強毒型の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に集団感染。 岡山でも起きた。宮崎では約20万羽、岡山では約1万羽が殺処分された。大陸から飛来した渡り鳥が感染を媒介したとの見方が強い。

養鶏場での消毒作業
04年3月、鳥インフルエンザが家畜のニワトリの間で
大感染した京都府の養鶏場での消毒作業
(写真:朝雲HPより)

◆2007年2月:モスクワ郊外でH5N1型検出 【ロシア】
モスクワ郊外の3カ所で家禽(かきん)約80羽が相次いで死に、ロシアの衛生当局は17日、 高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)による感染死だったと発表。

◆2004年2月:ニワトリが集団感染 【京都】
京都府の養鶏場でH5N1型に集団感染したニワトリが大量死。養鶏場が1週間通報せず、刑事事件に。

●人の鳥インフルエンザ感染状況

※クリックすると拡大します
発症事例
厚生労働省ホームページより


●対処

薬、ワクチン
新型インフルエンザの大流行に備え、国は治療薬タミフルを2500万人分、備蓄していますが、新型インフルエンザの性質は発生してみないと分からないため、効果を期待するのは得策ではありません。

また、ワクチンの開発には発生から数カ月が必要です。新型インフルエンザの特性を予測して「プレパンデミックワクチン」というものを開発し、1000万人分備えていますが、効果が不確定なうえ、量も不十分です。

免疫力の向上
飲食物に気をつけ、体の毒素も排出(デトックス)し、体を浄化することで人間本来の免疫力を高めます。身近にひそむ有害物質 第7章「からだを守る方法」に詳しい対処法を紹介しています。

備蓄
大感染が始まると、物流が止まって店が閉まり、労働者も一時的に急減して電気・水道などのライフラインの安定供給も危ぶまれます。また、屋外に出ることも危険です。最低4、5週間分の水・食料や適量の燃料を備蓄しておくことが必要です。


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